小売業を営む事業主にとって、POSシステムは欠かせないツールの一つです。注文処理や多様な決済方法への対応、在庫管理やスタッフ管理、顧客データ収集など、あらゆる業務を一つのシステムで完結できれば、業務効率化も実現します。
しかし、酒屋に最適なPOSシステムの選定となると、一般的な小売業よりも一歩踏み込んだ検討が必要です。高級ワインの販売時にマネージャーの承認を求める設定や、未成年への販売を防ぐ年齢確認機能など、特定の業務に応じた機能を必要とするためです。
そこで、この記事では、酒屋で必要となるPOSの基本機能や、自社に合ったシステムの選び方を紹介します。在庫管理や販売管理に役立つ機能や選定時のポイントを確認し、最適な販売管理システムを導入して業務の効率化につなげましょう。
酒屋向けのおすすめPOSシステム9選
Shopify POS
Shopify POS(ショッピファイポス)は、単なるPOSとしての機能だけでなく、酒屋の運営に必要な機能を備えたシステムとしての役割を果たします。在庫管理や注文の管理、顧客データを1つのPOSに統合することで、作業を効率化できます。従来であれば、顧客管理や在庫管理などのシステムを併用していたため、各システムに応じた社員教育が必要でした。しかし、Shopify POSなら、さまざまな機能を1台に集約でき、社員教育もShopify POSだけで完結します。
さらに、Shopify POSが優れている理由の一つに、現代の消費者が求める「オムニチャネル体験」を提供できる点が挙げられます。実店舗やECサイト、SNSなど消費者が触れるあらゆるチャネルにおいて、一貫した購買体験を提供することで、顧客満足度(CS)を高める効果が得られます。例えば、オンラインで購入した商品を実店舗で受け取るBOPIS(ボピス)を導入すれば、顧客は事前に近所の酒屋のオンラインストアで在庫を確認して注文を行い、当日店舗で受け取ることが可能です。事業主は、POS上で受け取り時間を確認し、それまでに商品を準備しておくことでスムーズに商品の受け渡しができるようになります。顧客にとっては、店舗への移動と滞在の時間を減らせるだけでなく、店舗で商品を探す手間も省け、利便性が向上します。
Shopify POSの主な特徴
- レジ、会計機能
- オムニチャネル販売(ECサイト、POS、SNS、マーケットプレイス)
- 在庫管理システム
- 顧客管理ツール
- 操作性の良いユーザーフレンドリーなインターフェイス
- 円滑な決済処理
- 高度なレポート機能とアナリティクス
- 複数店舗の一括管理
- 実店舗で使えるバーコードスキャナーやレシートプリンターなどのPOSハードウェア
- 未成年への販売を防ぐ「年齢確認サポーター」などの年齢確認アプリといった、サードパーティアプリとの連携
Shopify POSの価格
Shopify POSのサブスクリプションは、月額3,650円(年払いの場合)から利用が可能です。事業の規模に合わせてプランを選ぶことができ、Basic、Grow、Advancedの3つのプランは最初の3か月間は月額150円で利用できます。
スマレジ
スマレジは、iPhoneやiPadなどの端末を利用して使えるクラウド型POSレジです。幅広い業種に対応しており、業態や規模を問わず無料で始められます。キャッシュレス決済端末も用意されているため、実店舗とECサイトの両方を運営する酒屋にも適しています。料金プランは5種類あり、事業の規模や必要な機能に合わせて選べます。酒屋に必要となる棚卸作業の円滑化や価格変動への対応、免税対応機能もついています。
Air(エア)レジ
基本レジ機能が0円で使えるAir(エア)レジは、iPhoneやiPadをPOSレジとして活用できるサービスです。Airペイと呼ばれるキャッシュレス決済と合わせて導入することで、専用のカードリーダーでクレジットカードや交通系電子マネー、QRコードなどの決済手段に対応できます。店内での飲食が可能な酒屋で必要となる軽減税率での支払いも受け付けられます。
酒Do楽
酒Do楽は、三菱電機デジタルイノベーションの酒屋向けクラウドサービスです。小規模酒販店や酒類卸業向けの酒Do楽は、35年以上の実績を持つ販売管理システムで、クラウド版も提供しています。売上・売掛管理や配送・受発注管理、在庫・入出荷管理などの機能も付いており、24時間対応のコールサポートがあるため、初めての導入や他社システムからの移行も安心です。
ベストパートナー・プラス
ベストパートナー・プラスのPOSレジシステムは、運用形態に応じて3つのラインナップを展開しています。配達中心の小売店向け「BPS-30シリーズ」、店頭売りと配達売りの両方を行う事業主向けの「BPS-60シリーズ」、そして複数の端末から入力や操作を必要とする事業主向けの「BPS-80シリーズ」が用意されています。
45年以上の業界実績を持つ同社の酒販システムでは、特売設定や在庫情報などをPOSレジから確認できます。バックヤードのパソコンまで行かずに売り場ですぐに最新情報を把握できます。
ユビレジ
ユビレジは、誰でも簡単に使用できる操作性の良さが特長のPOSレジです。商品点数も1万点以上登録できるため、多くの商品や在庫数を扱う場合にも適しています。さらに、基幹システムや会計システムとの連携もできるため、既存のシステムを使いながら新たなPOSレジを導入することも可能です。さらに、ユビレジハンディなどのオーダーエントリーシステムを導入すれば、店頭での販売と店内飲食の管理をスムーズに両立できます。
POS+(ポスタス)
POS+(ポスタス)は、業界特化型POSシステムで、小売店や飲食店を運営する事業主に適しています。予約会計や取り置き、返品処理など、顧客の要望に合わせた会計に対応することができるため、販売機会を逃すリスクを減らすことが可能です。さらに、セット販売やギフト販売、会員クーポンなども簡単に設定できるだけでなく、免税販売にも対応していることから酒屋のPOSとしても最適です。在庫管理や売上管理もできるため、業務効率化を目指す際にも役立ちます。
酒販店管理システム
酒販店管理システムは、株式会社近畿システムサービスの酒屋向けPOSシステムです。バラ売りやケース売りなどの酒類特有の販売方法に対応しているだけでなく、季節限定ボトルなどパッケージやラベルが異なる商品も同一商品として売上管理や在庫管理が可能です。店頭POSでは特売設定やギフト設定ができるほか、配達業務で顧客ごとの単価設定ができるため、価格変更にも柔軟に対応できます。さらに、税務署に提出しなければならない販売数量報告書の発行機能も備わっており、業務の効率化が実現します。
Square POSレジ
Square POS(スクエアポス)レジは、酒屋や中小規模の小売店向けのPOSシステムです。既存の会計アプリや在庫管理アプリと連携して使用できるほか、キャッシュドロワーやバーコードスキャナー、プリンターといった周辺機器もワンストップで導入できます。事業規模に合わせて3つのプランがあり、自社の事業に合ったサブスクリプションを選べます。
酒屋向けPOSシステムの選び方
酒屋は一般的な小売業と異なる機能が求められるため、必要な機能が標準搭載されている、または追加できるPOSシステムを選ぶことが重要です。導入を検討する際は、以下の点に着目するとよいでしょう。
販売チャネル
酒類の販売チャネルは、実店舗をはじめ、ECサイトやマーケットプレイス、ポップアップストアなど多岐にわたります。店舗販売と並行して、ワインのネット販売を自社ECサイトとマーケットプレイスで行うといった多角的な運用も珍しくありません。導入を検討しているPOSシステムが、オンラインとオフラインの販売チャネル間で売上や在庫データを連携できるかを確認しましょう。
決済方法
顧客のニーズに応えられる決済方法を導入できるかも重要な要素の一つです。現金での支払いだけでなく、デビットカードやクレジットカード、モバイル決済、ギフトカードなども受け付けられるようにすることで、顧客の満足度向上にもつながります。
在庫管理
販売チャネルの数にかかわらず、酒屋における在庫管理は売上やコスト管理に直結するため、適切に行う必要があります。デッドストックを出さないようにする、保管費用を削減する、在庫切れによる販売機会の損失を防ぐといった目的のためにも、POSシステムから販売可能な在庫数を追跡できるようにしておくことが重要です。正確な在庫状況を把握しておけば、顧客の問い合わせに対し迅速に回答できるだけでなく、需要の変化に合わせて在庫量を調整できます。さらに、賞味期限が近い商品がわかるように在庫管理を行うことで、これらをセット売りにし、フードロスを避けることも可能です。
顧客管理
店頭スタッフが顧客のプロフィールやデータを閲覧できるようにすることで、パーソナライズされた接客体験を提供できます。Shopify POSなら、顧客がメールアドレスや電話番号を提示・登録するだけで、顧客プロフィールが自動で作成されます。
ハードウェア
多くのPOSシステムでは、バーコードスキャナーやレシートプリンター、カードリーダー、キャッシュドロワー(キャッシュドロア)といったハードウェアも販売しています。店舗に設置したいものを選んで購入できるだけでなく、予算や置き場所に限りがある場合にはShopifyのTap to Pay機能を使えばスマホやモバイルPOSをカードリーダーとして使用できます。
POS連携
現在使用しているシステムやアプリを継続して使い続けたい場合、新しく導入するPOSに連携機能があるかどうかを確認します。また、酒類の販売で必要な年齢確認用アプリやロイヤルティプログラムなどがオンラインと実店舗でシームレスに使用できるかといった点も重要です。
スタッフ管理
スタッフ管理機能も、POSシステムを選ぶ際の重要なポイントの一つです。金額や数量、取引先など特定の取引においてマネージャーの承認を必要とする設定ができるか、POSシステム上でシフト管理ができるかといった点も確認しましょう。
価格
POSシステム導入の際のコストが適切かどうかを確認します。POS本体の導入費用が安価であったとしても、専用のハードウェアが必要な場合は追加料金が発生します。さらに、在庫管理や顧客管理、スタッフ管理などの機能がオプションとなっている場合には、必要な機能を追加することで最終的な導入費用が高額になることも考えられます。POS導入前には、決済手数料を含めた費用の内訳と最終的な総額の確認を忘れずに行いましょう。
まとめ
酒屋向けのPOSシステムを導入する際は、レジ機能だけでなく注文処理や在庫管理、スタッフ管理、顧客管理などの機能を一元化できるものを選ぶと、業務効率化や顧客満足度向上につながります。例えば、Shopify POSなら、オムニチャネル販売に対応しているだけでなく、在庫・顧客・複数店舗の一括管理のほか、年齢確認アプリの追加や、販売権限の設定もできるため、酒屋のPOSとして最適です。
これから酒屋事業の開始を検討している方は、ネットショップでの酒類販売免許といった要件を満たすだけでなく、この記事を参考に自社に合ったPOSシステムを選んでみてください。
酒屋のPOSに関するよくある質問
Shopify POSは酒屋のPOSレジとして使える?
Shopify POSは酒屋のPOSレジに適しています。年齢確認機能をアプリで追加する、店舗での飲食の際に税率を変更できるなど、酒屋で必要となる機能が備わっています。さらに、ECサイトと実店舗での販売やBOPISなど顧客の幅広いニーズに応えられるため、販売機会を逃しにくくなります。
酒屋のPOSに必要な機能は?
- ケース売りやバラ売りなど、販売単位や組み合わせを柔軟に設定できる
- 酒類受払帳や酒税報告書などの酒税関連帳簿を出力できる
- 持ち帰りや店内飲食といった利用形態に合わせて税率変更ができる
- 免税販売ができる
- 年齢確認機能がある
酒屋向けPOSシステムの選び方は?
- さまざまな販売チャネルに対応しているか
- 決済方法は豊富か
- 在庫管理ができるか
- 顧客管理ができるか
- 対応ハードウェアが用意されているか
- POS連携が可能か
- スタッフ管理機能はあるか
- 価格は適切か




