インターネット上での販促活動に活用されるランディングページ(LP)は、有料広告やSNS、バナー広告などを通してユーザーを誘導し、具体的な行動を促す役割を持っています。「商品の購入」「メルマガの登録」などの目標となるアクションを起こしたユーザーの割合を示したものはコンバージョン率(CVR)と呼ばれ、ランディングページの効果を測定する際に活用されます。
ランディングページのコンバージョン率は、わずかな改善だったとしても、企業の業績に大きな影響を与えます。例えば、月間10万セッションを獲得しているランディングページでは、コンバージョン率が0.2%向上するだけで、商品販売数は月間200件増加し、平均注文額(AOV)が1万円の場合、毎月200万円の収益増加が見込めます。
この記事では、ランディングページのコンバージョン率の平均や計算方法、改善方法についてわかりやすく解説します。ランディングページのコンバージョン率を高めるテクニックを習得して、売上につながるページを設計しましょう。

ランディングページのコンバージョン率とは
ランディングページのコンバージョン率とは、ランディングページの訪問者のうち、商品の購入やニュースレターへの登録といった、企業が目標とするアクションを起こした人の割合のことです。コンバージョンが発生しないランディングページは、訪問者が商品やサービスに興味は持っているものの、訴求が弱く、購入や登録をするほどの魅力を感じられていない状況と言えるでしょう。
ランディングページのコンバージョン率は、以下の計算式で求めることができます。
コンバージョン率(%)= コンバージョン数 ÷ ページ訪問数 × 100
ランディングページのコンバージョン率は、何をコンバージョンとするかによって、数値に反映される要素が変わります。例えば、「商品の購入」をコンバージョンとする場合、コンバージョン率はランディングページとチェックアウト体験の効果を表します。一方、「買い物カゴへの追加」をコンバージョンにした場合は、ランディングページのパフォーマンスのみが数値として反映されます。そのため、決済手続きや決済方法といったチェックアウト体験全般を評価するには、別途測定する必要があります。

ランディングページのコンバージョン率の目安
ランディングページのコンバージョン率は、一般的に約2〜3%とされています。ランディングページは、特定のアクションへユーザーを誘導することを目的として設計されているため、一般的なウェブサイトと比べてコンバージョン率が高くなる傾向があります。
ただし、コンバージョン率は業界や商材、商品の価格帯などの影響をうけることから、自社の業界や商材の平均コンバージョン率を目安として把握しておくことが重要です。例えば、日本国内のECサイトのコンバージョン率は約3〜3.8%(英語)です。国内の顧客は購入前に情報収集や比較を行うことが多く、ランディングページ閲覧時にはすでに購入意欲が高い傾向にあるとされています。
直帰率とコンバージョン率の関係性
ランディングページのコンバージョン率と深く関係のある指標に、直帰率があります。直帰率とは、ランディングページを訪れた顧客のうち、他のページに遷移することなく離脱した人の割合を表します。直帰率に影響を与える主な要因は以下の通りです。
- 流入チャネル:広告や自然検索、SNSなど、どこから流入したかで関心度や目的意識が異なるため、直帰率に影響を与えます。
- コンテンツの関連性:「女性用の靴」の広告をクリックしたのに「子供靴」のページが表示されるなど、期待していた内容と異なるコンテンツだった場合、ページ離脱率が高まります。
- ユーザー体験(UX):ページの読み込み速度や過度なポップアップ表示はユーザー体験を低下させ、直帰を招きます。
一般的に、直帰率が高いとランディングページのコンバージョン率も低くなると考えられがちです。一方で、直帰率が高いにもかかわらず、コンバージョン率も高くなるケースも見られます。その理由は主に以下の2つです。
- 1ページで完結させる仕組みのため:ランディングページは、そのページ内で狙った行動を促すために作られているため、他のページへ遷移させるリンクは最小限にとどめられており、一般的なサイトに比べて直帰率は高くなります。
- フォーム一体型やポップアップによる決済が増えているため:ページ下部に入力フォームが設置されている場合や、ポップアップ形式で決済手続きができる場合、別ページへ遷移しないため、コンバージョンとなった顧客が直帰率にもカウントされる場合があります。
このように、直帰率が高い場合でも成果につながるケースがあるため、コンバージョン率やエンゲージメント率、平均滞在時間といった指標と合わせて分析することが重要です。
ランディングページのコンバージョン率の確認方法
Googleアナリティクスで確認する方法
Googleアナリティクス4(GA4)でランディングページのコンバージョン率を確認するには、まずコンバージョンイベントを設定します。詳しい手順は以下の通りです。
- サイドバー左下の歯車アイコン「管理」をクリックする
- 「データの表示」を選択し、「イベント」をクリックする
- 「イベントを作成」をクリックして、コンバージョンを設定する
- コンバージョンとしてカウントするイベントを選び、「キーイベントとしてマークを付ける」をオンにする

計測後にコンバージョン率を確認する際は、「レポート」>「ライフサイクル」>「エンゲージメント」にアクセスし、「イベント」をクリックします。

Shopifyで確認する方法
Shopify(ショッピファイ)を使っている場合、Shopifyのレポートからコンバージョン率を確認できます。画面左側の「ストア分析」から「レポート」をクリックすれば、行動レポートにあるコンバージョン率を確認できます。特定のランディングページのデータを確認したい場合は、URLでデータの絞り込みが可能です。

ランディングページのコンバージョン率が低くなる要因
- ターゲティングの精度が低い
- オフシーズンである
- 訴求広告とランディングページの内容が合っていない
- ランディングページの内容がわかりにくい
- 競争優位性が伝わらない
- 信頼性を示す情報が不足している
- 操作性が悪い
ターゲティングの精度が低い
ランディングページのコンバージョン率が低くなる要因の一つに、ターゲティング精度の低さがあります。ターゲティングが適切でないと、商材やサービスへの興味関心が低いユーザーの流入が増え、商品購入やメルマガ登録などの目標とする行動につながりにくくなります。
オフシーズンである
需要の季節変動がある商品を取り扱っている場合、オフシーズンに集客してしまうとコンバージョンに至る確率が低くなります。シーズン商品はタイミングが重要であるため、施策の実行が少し遅れてしまうだけで大きな損失になりかねません。
また、年間を通して需要がある商品でも、同じ訴求ポイントやコンテンツ、デザインを使い続けるとコンバージョン率が伸び悩むことがあります。同じ商品でも、季節によって利用シーンやユーザーのニーズは変化するため、季節に合わせて訴求内容やデザインを見直すことが重要です。
訴求広告とランディングページの内容が合っていない
広告で使用した訴求ポイントとランディングページの訴求ポイントが異なっていると、顧客は違和感を覚え、離脱する原因になります。広告で訴求した価値がランディングページにも適切に反映されているか、訴求表現が統一されているかを見直すことで、ユーザーの期待とのズレを防ぐことにつながります。
ランディングページの内容がわかりにくい
内容が伝わらないランディングページはコンバージョン率を下げる原因の一つです。特に、ファーストビューに商品やサービスの魅力が伝わるキャッチコピーや画像がないと、直帰を招きます。情報を詰め込みすぎてもわかりにくくなるため、顧客目線で必要な情報を取捨選択し、視覚的に情報を整理することが重要です。
競争優位性が伝わらない
購入意欲の高い顧客をランディングページに集客できたとしても、競合と比べてどこが優れているのかが伝わらなければ、コンバージョンにはつながりません。競合分析や市場調査を通じて自社の強みを明確にし、ファーストビューや訴求ポイントに反映させることで、「自社を選ぶべき理由」を効果的に伝えられます。
信頼性を示す情報が不足している
どれだけ商品やサービスが優れているかを訴求しても、それに根拠がなければ、顧客はサイトや企業を信頼できず、コンバージョンにつながりにくくなります。販売実績や受賞歴、お客様の声、専門家からの推薦などのソーシャルプルーフ(社会的証明)を提示し、信頼性を裏付ける情報を示すことが重要です。
操作性が悪い
操作しづらいランディングページは、コンバージョン率が低くなる傾向があります。顧客に購入の意思があったとしても、以下のような問題があると、ページ離脱を招きます。
- ページの読み込み速度が遅い
- 入力フォームがわかりにくい
- 入力項目が多く煩雑である
- 購入や決済までの動線がわかりにくい

ランディングページのコンバージョン率を改善する方法
- バリュープロポジションを構築する
- ターゲティングを見直す
- 顧客目線のコンテンツ制作を行う
- ファーストビューを最適化する
- CTAを最適化する
- A/Bテストを行う
- モバイル向けに最適化する
- ページの読み込み速度を改善する
- 決済プロセスを最適化する
バリュープロポジションを構築する
バリュープロポジション(価値提案)を構築することで、ランディングページのコンバージョン率改善が見込めます。自社の商品やサービスの価値を明確にし、購入することによるメリットを明らかにすることで、訴求力の高いメッセージを打ち出せます。
以下の要素に焦点を当てることで、効果的な訴求ができるようになります。
- 顧客のニーズや課題の把握
- 商品やサービスのメリットや、解決できる問題
- 競合との差別化に役立つUSP
これらに沿ってランディングページを作成することで、自社商品の魅力が伝わりやすくなり、コンバージョン率の改善にもつながります。
ターゲティングを見直す
ターゲティングを見直すことで、購入意思の高いユーザーを集客でき、コンバージョン率の改善にもつながります。ターゲットオーディエンスを明確に定義するだけでなく、流入経路となる広告のターゲティングを見直すことも重要です。Google広告やSNS広告を利用している場合、年齢や在住地域、興味関心、職業などの設定が適切かどうか、確認してみましょう。
顧客目線のコンテンツ制作を行う
顧客目線でランディングページを制作すると、説得力のある訴求につながり、コンバージョン率の改善が期待できます。その際に効果的なのがペルソナの設定です。商品やサービスを利用しているユーザー像を具体的に設定することで、どのような情報や訴求表現が響くのかを検討しやすくなります。
例えば、スキンケアのEC事業を運営しており、新商品のペルソナを「仕事が多忙で美容に時間をかけられないものの、美しくなりたいと感じている30代女性」と設定したとします。この場合、美容成分を全面的に押し出すよりも、「1日3分で本格スキンケア」など、時短に焦点を当てた訴求のほうが効果的だと判断できます。
このように「自分のための商品だ」と感じてもらえるランディングページを制作することが、コンバージョン率の向上には欠かせません。
ファーストビューを最適化する
ファーストビューはコンバージョン率向上において重要な要素の一つです。顧客が最初に目にするエリアであり、閲覧を続けるかどうかを左右するセクションと言えます。離脱を防ぎコンバージョンを促すには、以下のような改善を実施し、ファーストビューの最適化を図りましょう。
- メインビジュアル:商品やサービスの魅力が伝わるヒーローイメージや動画を使う
- キャッチコピー:なぜ顧客に必要な商品であるかを簡潔かつ明確に訴求し、必要に応じてメインキャッチコピーとサブキャッチコピーの両方を設置する
- CTA(コールトゥアクション):即決したい顧客が迷うことなく行動を起こせるよう、開いてすぐ見える位置にCTAを設置する
デジタルマーケティングを行うWACUL(ワカル)の調査では、ファーストビューにサービス名、サービスの概要、CTAが収められているランディングページは、コンバージョン率が高い傾向にあることが明らかになっています。
CTAを最適化する
CTAの最適化は、コンバージョン率改善に効果的です。顧客に具体的な行動を促すためにも、目につきやすい色やクリックしやすいサイズを採用しましょう。記載する文言は、「ここをクリック」というような具体的行動がわかりにくいものではなく、「購入する」「登録する」「無料で試してみる」のように明確かつ完結にすることで、コンバージョンを効果的に促すことができます。
A/Bテストを行う
コンバージョン率改善において、有効な手法の一つにA/Bテストがあります。ランディングページの新規制作やリニューアルの際には、A/Bテストを活用して各要素がコンバージョン率に与える影響を検証することで、効果の高い施策を採用しやすくなります。
ランディングページでは、次のような要素をA/Bテストで評価すると良いでしょう。
- ヒーローイメージ
- ファーストビューの構成
- ボタンの色や位置、サイズ
- キャッチコピー
モバイル向けに最適化する
ECモバイル最適化も、コンバージョン率の向上に欠かせない施策です。近年、スマホやタブレットから閲覧・購入するユーザーも多く、モバイルからの視認性や操作性を向上することで、ページ離脱やカート放棄の改善が期待できます。
例えば、次のような点を確認してみましょう。
- 文字サイズやデザイン、レイアウトが正しく表示されるか
- 片手操作やフォームへの入力がしやすいか
- ページの読み込み速度は適切か
- チェックアウトフローが簡潔か
ページの読み込み速度を改善する
ページの読み込み速度の改善も、コンバージョン率の向上に効果的です。Googleの調査(英語)によると、サイトスピードが1秒改善するとモバイルデバイス経由でのコンバージョンが最大27%上昇することがわかっています。
伝わりやすい魅力的なランディングページを作ろうと、画像や動画を多く使用すると、サイトスピードが遅くなるケースがあります。使用する素材を絞り重複する素材は削除するほか、画像の最適化や性能の高いサーバーの利用など、サイトスピード改善に向けた施策を実施し、コンバージョン率アップを目指しましょう。
決済プロセスを最適化する
コンバージョン率改善において重要なポイントの一つに、決済プロセスがあります。商品やサービスの魅力に納得しているにもかかわらず、顧客が離脱する場合は、決済プロセスの複雑さやわかりにくさが原因として考えられます。
決済手続きの改善には、次のような対策が効果的です。
- ワンページチェックアウトを採用する
- アカウント作成を必須にせず、ゲスト購入ができるようにする
- BNPLやコンビニ決済など多様な決済手段を用意する
- Shop Pay(ショップペイ)のようなワンタップで完了する決済システムを導入する
- 信頼バッジやSSL証明書などを提示し、安全性を示す
- 送料や税金などの追加費用を事前に明示する
まとめ
ランディングページのコンバージョン率は、訪問したユーザーをどれだけ成果につなげられているかを示す重要な指標です。コンバージョン率が向上することで、既存のアクセス数からより多くの成果を得られるようになり、売上や収益の増加につながります。
一般的なランディングページのコンバージョン率は2〜3%とされていますが、業界や販売する商品、商品の価格帯によって数値は異なります。自社の業界や商材の平均コンバージョン率と比較して大幅に低い場合は、ランディングページの改善が必要です。ターゲティングは適切か、広告とランディングページの訴求内容が一致しているか、操作しやすい構成になっているかといった点を見直してみましょう。
本記事で紹介した改善方法を参考に、ユーザーの購買意欲を高めるランディングページを構築し、ECサイトのコンバージョン率改善を目指しましょう。
ランディングページのコンバージョン率に関するよくある質問
ランディングページのコンバージョン率の目安は?
ランディングページのコンバージョン率は、一般に約2〜3%とされています。
ランディングページのコンバージョン率の計算方法は?
コンバージョン率(%)= コンバージョン数 ÷ ページ訪問数 × 100
ランディングページのコンバージョン率改善の方法は?
- バリュープロポジションを構築する
- ターゲティングを見直す
- 顧客目線のコンテンツ制作を行う
- ファーストビューを最適化する
- CTAを最適化する
- A/Bテストを行う
- モバイル向けに最適化する
- ページの読み込み速度を改善する
- 決済プロセスを最適化する




