請求書を送る際は、送付方法や記載事項、法令上の要件など、事前に確認しておきたいポイントがあります。必要事項や商習慣をしっかり把握しておくことで、入金遅延や再発行などのトラブルを防ぎ、スムーズな取引や信頼関係につながります。
この記事では、請求書を送る前の準備から送付方法、催促メールの送り方まで、スムーズに入金してもらうためのポイントを解説します。

請求書を送る8つのステップ
- 支払い条件と請求スケジュールを決める
- 支払い方法を確認する
- 請求書作成ツールを選ぶ
- 請求書のテンプレートを用意する
- 請求書の送付方法を選ぶ
- 請求書の郵送準備をする
- 請求書を送付し、受領状況を確認する
- 支払いリマインダーを送る
1. 支払い条件と請求スケジュールを決める
顧客にサービスや商品を提供する前に、支払いに関する条件を明確にしておきましょう。認識の齟齬を避けるために、支払い金額、振込手数料や経費の負担者、支払い方法、消費税の取り扱いなどの支払条項を記載した契約書を交わすのが理想的です。
具体的な支払いスケジュールについても、事前の確認が重要です。大型のプロジェクトや継続的な業務で支払い日が遠くなる場合には、着手金として報酬の一部前払いや、進捗に応じたマイルストーンごとの分割払いをクライアントに依頼することを検討しても良いでしょう。その際の支払い期限は、請求書を取引先が受け取った月末締めで、翌月末または翌々月末の支払いが一般的です。
そのほか請求書を作成する前に、以下の点を取引先と確認しておくことで請求をスムーズに進められます。
- 請求日、支払期日:取引先の締め日や支払い条件に合わせて設定
- 請求金額:契約内容に基づき、明細や金額を正確に記載
- 振込手数料の負担:「持参債務の原則」により原則は振込者負担だが、事前に確認
- インボイス制度への対応:適格請求書発行事業者の登録状況と消費税の請求方法の確認
- 送付方法:郵送、メール、請求システムなど事前に取り決めた方法で請求書を送付
2. 支払い方法を確認する
支払いを受け取るための事前準備として、クライアントに支払い方法を確認します。最も一般的な方法は銀行振込ですが、継続的な取引では口座振替(自動引き落とし)、オンライン取引ではクレジットカードをはじめ電子決済が利用される場合もあります。
クレジットカードなどのオンライン決済に対応する場合は、決済ゲートウェイや決済代行サービスの導入が必要です。Shopify(ショッピファイ)ペイメント、PayPal(ペイパル)、Stripe(ストライプ)などのサービスを導入することで、簡単な手続きで多様な決済方法に対応することができます。
3. 請求書作成ツールを選ぶ
支払い条件などが確認できたら、請求書の作成と送付に使うツールを選びましょう。取引先によっては、請求書の提出方法や利用するシステムが指定される場合もあります。特に指定がない場合は、請求書作成ツールや会計ソフトを活用すると、必要な項目に沿って情報を入力するだけで請求書を作成でき、作業の手間を減らせます。
例えば、Shopifyの無料の請求書テンプレートを使えば、自社情報、顧客情報、請求する商品やサービスの詳細を入力するだけで、商取引に適した請求書を作成できます。ただしこのツールは単発の請求には適していますが、同じ取引先に対して定期的に請求書を発行する場合は、請求業務に特化したソフトウェアやアプリを利用した方が良いでしょう。請求書作成ツールを選ぶ際には、必要に応じて次のような機能が備わっているかを確認しておくこともおすすめします。
- 定期的な請求書の作成と送付
- 支払いリマインダーの自動送信
- 会計ソフトとのデータ連携
4. 請求書のテンプレートを用意する
請求書作成ツールやインターネット上のテンプレートを活用すれば、あらかじめ必須項目が設定されているため、手間の削減とミスの予防に役立ちます。特定の様式が法律等で指定されているわけではありませんが、自社用のテンプレートを作成する場合は次の項目を記載しておくと良いでしょう。
- 自社情報(会社名、住所、電話番号、メールアドレスなど)
- 請求先情報(会社名、住所、電話番号、メールアドレスなど)
- 請求書の発行日
- 請求書番号等、管理用の情報
- 取引年月日
- 取引内容(商品名やサービス名、数量、単価、金額)
- 請求金額(小計、消費税額、合計金額)
- 振込先口座(決済代行サービスなどの場合は支払い先情報)
- 適格請求書発行事業者登録番号(自社がインボイス登録している場合)
なお、自社が適格請求書発行事業者として登録している場合は、請求書の書き方は国税庁の「適格請求書の記載事項」に準拠するとともに、取引先への領収書の発行も必要となります。
5. 請求書の送付方法を選ぶ
作成した請求書は、メール、郵送、FAX、請求書発行システムなどによって送付します。メールにPDF形式の請求書を添付して送付する方法が一般的ですが、送付前に指定の送付方法がないかクライアントに確認しましょう。
送付先のメールアドレスや担当者名、必要に応じてCCやBCCの宛先も事前に確認しておくと安心です。また、企業によってはさらに紙の原本の提出を求められる場合もあるため、郵送が必要か確認しておきましょう。郵送する場合、請求書は信書に該当するため、普通郵便、レターパック、簡易書留、スマートレターなど信書の送付に適した方法で送る必要があります。信書に適した送付方法以外を使用した場合は、郵便法により罰則が科される可能性もあるため、宅配便などで送らないように注意しましょう。
また、請求書発行システムやShopifyアプリを使用する場合は、作成した請求書をプラットフォーム上からそのままメールで送信したり、ダウンロード用のリンクを発行したりできるものもあります。
6. 請求書の郵送準備をする
請求書を郵送する場合は、送付状を用意し、適切な封筒に請求書を封入してから送付します。送付状を同封すると、送付の目的や同封書類を相手先が確認しやすくなる、送付前に抜け漏れがないか確認できるといったメリットがあります。送付状には、以下の項目を記載するのが一般的です。
- 宛先:会社名、部署名、担当者名
- 差出人情報:会社名、氏名、連絡先
- 日付:送付日
- 件名:送付する書類の内容
- 本文:挨拶などの前文、送付の目的など
- 同封書類:書類の名称と部数
封筒は、A4サイズの請求書なら長形3号か、角形2号が適しています。長形3号は三つ折りにして封入でき、概ね定形郵便で送付することができます。一方、角形2号なら請求書を折らずにそのまま入れられます。請求書には金額などの情報が含まれるため、白または薄い青色の透けづらい封筒を選ぶと良いでしょう。
封筒の宛名には、会社や部署宛なら「御中」、担当者など個人宛なら「様」を付けます。また、封筒には「請求書在中」と記載しておくと、受け取った側が開封前に中身を把握できるようになります。
長形3号の封筒を使用する場合は、請求書を三つ折りにして封入します。三つ折りの際は、書類の下側を上に向かって三分の一を谷折りし、上側を下に折り重ねます。封入する際は、上から「送付状」「請求書」の順に重ね、封筒から取り出したときに請求書のタイトルが見える向きに入れると、受け取った側がスムーズに内容を確認できます。
7. 請求書を送付し、受領状況を確認する
請求書を送付したら、取引先に問題なく届いたか確認しましょう。メールで送付した場合は受領の返信をもらうなど、必要に応じて確認できれば安心です。請求書発行システムの場合は、取引先が請求書を閲覧したかどうかや、支払い状況を確認できる機能が用意されているサービスもあります。
郵送で送付する場合は、レターパックなど追跡サービスに対応した郵送方法を選ぶことで、配送状況をオンラインで確認できます。
8. 支払いリマインダーを送る
請求書を送付したら、支払期限までに入金されているかを確認しましょう。支払期限を過ぎても入金が確認できない場合は、支払い状況の確認のためメールや電話で連絡をとる必要があります。これまで期限どおりに支払いを行っていた取引先であれば、行き違いの可能性もあるため丁寧な言葉遣いで状況を確認します。
新規の取引先などで支払期限後も入金が確認できない場合も、適切なタイミングでリマインダーを送り、必要に応じて改めて支払い予定日をすり合わせます。この場合も、相手との関係を良好に保つために責めるような口調は避けましょう。
なお、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の対象となる取引では、発注元企業は納品から60日以内に報酬を支払う必要があります。こうした取引で遅延した場合や、契約で遅延損害金について定めている場合は、遅延利息が生じる可能性もあります。
まとめ
請求書をスムーズに送付するには、支払い条件や送付方法を事前に取引先と確認し、必要事項を漏れなく記載することが大切です。送付方法はメールや郵送、請求書発行システムなどがありますが、取引先の指定や運用ルールに従うことが重要です。請求書を送付した後は、受領状況や入金状況を確認し、必要に応じて適切なタイミングでリマインダーを送りましょう。
定期的に請求書を発行する場合は、テンプレートや請求書発行システムを活用することで、作成から送付、管理までの業務を効率化できます。請求書の作成や送付をサポートする、Shopifyの請求書テンプレートや請求書発行アプリもぜひご活用ください。
請求書の送り方に関するよくある質問
請求書を自分で作成するには?
請求書作成ツールや会計ソフトを利用するほか、Google(グーグル)スプレッドシートやMicrosoft Excel(マイクロソフトエクセル)などを使って自分で作成することもできます。自分で作成する場合は、請求書番号、発行者情報、取引先情報、取引内容、請求金額、支払方法などの必要な項目を記載しましょう。
請求書を送る際に気をつけることは?
請求書を送付する際は、取引先が指定する送付方法やルールがあるか事前に確認しましょう。メールの場合は、送付先のメールアドレスや担当者名をあらかじめ確認しておき、請求書をPDF形式で添付して送信します。郵送の場合は、送付状を同封し信書として普通郵便やレターパックなどで送付します。
失礼にならずに支払いを催促するには?
支払いの遅延について確認する際は、相手先との関係を損なうことのないよう、相手を責めるような表現を避けて丁寧に伝えることが大切です。金額や支払期限をあらためて伝え、入金状況や支払い予定日を確認しましょう。契約などで遅延損害金について定めている場合は、必要に応じて案内します。




